日本の美

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西洋の美術を、卒業旅行で行ったイタリア、フランスでたくさん見る機会があったので、今度は日本の美術も知りたいと北斎展に行ってきました。

これがまたよかったです。絵が本当に細かい。特に着物の細かい模様とかは手とか震えないのかなという心配になるくらいです。そんな心配はもちろん不要だと思いますが。
また日本の自然の美しいところをうまく切り出して表現していました。あとやっぱり冨嶽三十六景の富士山はきれいでした。作品それぞれでまったく違った富士山の姿を見せていて、興味深かったです。あるものは画面いっぱいに、あるものは本当に小さく、あるものは真っ白で、またあるものは燃えるような赤色で描かれていました。
冨嶽三十六景 凱風快晴
冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏

日本もまだまだ捨てたもんじゃなかったです。

また小林秀雄の「古典をめぐりて〈対談〉」の一部を紹介します。

文学はやはり西洋のものを尊敬しております。自分の為になるもの、読んで栄養がつくものはどうしても西洋人のものなんです。若い人でやっぱり西洋文学をどんどんやるのが正しいと思います。何と言っても近代文学は西洋の方が偉いです。併(しか)し物を見る眼、頭ではない、視力です。これを養うのは西洋のものじゃだめ、西洋の文学でも、美術でも、眼の本当の修練にはならない。日本人は日本で作られたものを見る修練をしないと眼の力がなくなります。頭ばかりが発達しまして。例えば短歌なんかやっている方は、日本の自然というものを実によく見ている。眼の働かせ方の修練が出来ているという感じを受けますが、西洋風な詩を作る詩人のものを読むと、みな眼が駄目です。

今から58年ぐらい前の話なので今はだいぶ変わってきたとは思いますが、日本の美意識はやはり日本にしかないのだと思います。富士を思う気持ちは多分あまり理解されないことなのだと思います。西洋の美意識はまたすばらしかったけれども、でも日本の美意識も好きです。西洋の圧倒するような美しさもいいですが、日本は日本にしかない奥ゆかしさがあります。長いこと見るにはやっぱりこの奥ゆかしさは落ち着くものだと思います。

西洋の文学は僕はまだ苦手です。これにもこれから挑戦していこうと思います。

今日の一曲
交響詩「海」/ドビュッシー

Tomo

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